腕枕で眠らせて
もちろん自分の商売的にも、何より私のサンキャッチャーを気に入ってくれてる水嶋さんのためにも、それに応えたい。
けど。
「…ごめんなさい、水嶋さん。今の私にはこれ以上生産数は増やせません。
拙作ですけど、買って下さった人に幸せな気分になって貰いたくて始めた仕事なんです。ひとつひとつ、心を込めて作りたいと思ってるんです。
だから、数を増やして忙しさに追われて形だけの物を作りたく無いんです。
せっかくのありがたいお話なのに、ごめんなさい。その代わり、今までのお店に納品する分はこれからも精一杯いい物を作りますから」
本当に申し訳ないと思う。
水嶋さんの期待に応えられなくて。
せっかくの新しいお店に花を添えられなくて。
でも、これだけは譲れないから。
人を幸せに出来ないサンキャッチャーなんて、幾つ造ったって意味無いから。
「…分かりました。鈴原さん」
残念な返事をした私から目を離さずに、水嶋さんは穏やかに微笑んで言った。