幸せの掴み方
圭祐はその夜、柚葉と顔を合わせたくなくて、かなり遅く帰宅したが、
予想に反して、柚葉は起きていた。

「なんだ、起きていたのか」

圭祐は、素っ気なくそう言い放つと、

「話があるんだけど」

柚葉が、いつもと違い、ハッキリと圭祐を見てそう言ったため、圭祐は
嫌な予感がして、

「何の話だ!! お前の浮気の話なら、聞かなくても十分解っているから
 今更、話なんかしなくても良いぞ!!
 菜々美の養育費くらいは出してやるが、慰謝料は出す必要はないよな!」

圭祐は、つい感情的になってしまい、怒鳴りながら柚葉に言うと

「ちょ・ちょっと待って。何で、養育費や慰謝料の話なの?」

「決まっているだろうが!! お前はアイツとよりを戻したから
 離婚するんだろうが!!
 この用紙に、サインして、一週間以内に、この部屋から出て行ってくれ!!
 俺の話はそれだけだ!!」

圭祐は、感情の赴くまま、柚葉に罵声を浴びせ、そのまま部屋を出て行った。

結局圭祐は、いつものホテルに行き、一週間、滞在することにしたが、

圭祐は、自分のしたことを深く考えもせず、ただ怒りだけの自分の
感情と闘いながら、

『俺は、大丈夫だ。
 柚葉や菜々美が居なくても、生きていけるし、不幸になんかならない・・・』

圭祐は、そんな事を思っていた。

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