幸せの掴み方
「第一、何で柚葉は、その話を俺にしなかったんだ!!」

「お前、離婚を言い渡したとき、柚ちゃんの話も聞かなかった
 そうじゃないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「それに言っていたよ。
 確かに元彼と菜々美ちゃんの関係で再会はしたし、お前が二人を
 見た時、あの上のプールで、菜々美ちゃんの撮影があって、その後
 菜々美ちゃんがスタッフと遊ぶから、柚ちゃんは、お茶をしに出たけど
 元彼が一緒に来て、お茶をした時、お前の事で随分悩んでいたのを
 知られて、その時、思わず泣いたそうだよ・・・・・
 お前は、どう思っていたのか知らないけど、柚ちゃんは、『私が
 妊娠しなければ、圭祐は家族からも祝福される結婚が出来たんじゃ
 ないか』ってね・・・・・
 『圭祐は、責任だけで結婚したんだ』って、いつも不安そうに
 していたみたいだぞ・・・・
 お前、ちゃんと柚ちゃんに『好きだ』って、言ってやっていたのか?」

陽介の言葉に、圭祐は何も答えられなかった。

柚葉が、そんな事を考えていたなんて・・・・・

陽介の話を聞いて、段々顔色が悪くなっていく圭祐を陽介は心配に
なって、それ以上話をするのを止めた。

「なぁー、柚葉が元彼と抱き合っていた時に、ものすごく頭に来たんだ!!
 それに、そいつの写真を見て、俺は、気が狂いそうだった・・・・
 この感情は、いったいなんだ!?」

「おまえ・・・・・そこまで感情に疎かったのか・・・・・
 それは、嫉妬だよ!! ジェラシー・・・・解ったか!!」

陽介は、呆れながらも、圭祐の事をよく理解しているがゆえに
今まで感じたことがない感情に、圭祐は戸惑っているんだと考えられた。
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