幸せの掴み方
柚葉は、仕事も産休に入り、出産までの間にやるべきことは殆ど済ませ、
いつ出産になっても良いように準備を整ていた・・・・

そんなある夜、一本の電話が掛かって来た・・・・・

名前を見て、驚いたが、気持ちを落ち着かせて電話に出ると
懐かしい声が聞こえて来た。

「もしもし、柚葉か・・・・久しぶりだな!」

「圭祐・・・・・久しぶり・・・どうしたの?」

圭祐は、何の用があって電話をかけて来たのか、柚葉には解らなかった。

「・・・・うん、菜々美に会いたいんだが・・・・ダメだろうか?」

「えっ、本当に・・・・良かった、菜々美も喜ぶわ・・・・」

「そうか、じゃー、菜々美の都合もあるだろうが、今週の土曜日は
 空いているかな?」

「土曜日は・・・・あっ、大丈夫よ・・・・どうしたら良いかしら?」

「俺が、迎えに行くよ・・・・」

「解ったわ・・・・私は、その日、用があるから、母の所に菜々美は居るから
 母のマンションへ来てもらえるかしら?」

「解った・・・・10時で大丈夫かな?」

圭祐は、声を弾ませながら菜々美と会えることを楽しみにしているようだった。

柚葉は、複雑な思いを胸に、明日、菜々美に話すと、きっと喜ぶだろうと
思うと同時に、柚葉は、自分の妊娠と仕事の事は、菜々美に圭祐には
言わないように言わなくてはならないと考えていた。

お腹の子供の事を知れば、圭祐は、必ず湊との事を疑うだろうし
そのことで菜々美を取られるかも知れない恐怖心が沸いていた・・・・
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