幸せの掴み方
柚葉の仕事復帰
圭祐は、柚葉の病室を訪ねた後、久しぶりに陽介を呼び出し
二人は、いつもの居酒屋で飲んでいた。

「「お疲れ様・・・」」

「そう言えば、陽介の所も、生まれたんだっけ!?」

「あぁー、先週、女の子が生まれたんだ・・・・・可愛いなぁー・・・」

「そうか、おめでとう!!」

「ありがとう・・・・」

「柚葉も、昨日、男の子を生んだよ・・・・・・・」

「・・・・圭祐・・・・・知っていたのか?」

「あぁー、久瀬さんが今日、話に来てくれたんだ・・・・・

『真之介』って言うんだ・・・・可愛かったぞー・・・・・」

「圭祐・・・・・・柚葉ちゃんと話し合ったのか?」

「あぁー、お互いがどこかですれ違ったんだよな!?
 柚葉は、久瀬さんと結婚したよ・・・・真之介の父親になりたいって・・・

 俺は、自分のせいで、大事な家族を失ったんだよな・・・・・」

陽介は、圭祐の苦しそうな顔を見て、何も言えずにいると、

「でも、柚葉には幸せになって貰いたい・・・・・

 俺が幸せにしてやれなかった分、久瀬さんがきっと幸せにしてくれる
 とは思うが・・・・・なんか、悔しいな・・・・・・」

「圭祐・・・・お前・・・まだ柚葉ちゃんの事・・・・・」

「あぁー、いつか元に戻ると思っていたんだよ・・・・バカだよな・・・
 
 何もアクションを起こさなければ意味がなかったのに・・・・」


圭祐の言葉に、陽介は圭祐の柚葉に対する気持ちの深さを知った気がした。
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