幸せの掴み方
陽介と飲み、その夜は、圭祐も陽介も結構飲み、お互いが家に帰った時は
既に日付が変わっていた。

陽介も、今は優香が退院後、実家にいる為、久しぶりの一人暮らしだった。

午前様になっても優香に、愚痴を言われることもなかったが、陽介は圭祐の
事を考えると、何とも言えない複雑な気持ちだった。

『お互いが、もう少し気持ちを伝えあっていたなら、こんなことには
 ならなかったのに・・・・』

圭祐と柚葉の二人の事は、本当に悔やんでも悔やみきれない気持ちだった。

陽介は、モヤモヤする気持ちを吹っ切るかのように、シャワーを浴びて
眠りについた。



圭祐も、久しぶりに陽介と会ったことで、自分の気持ちを吐き出すことが出来
気分的には、割合すっきりしている・・・・

これからは、圭祐自身も、子供達に胸を張って、『父親』として
認めてもらえるように、頑張って行かなくてはと、改めて心に誓い
柚葉と子供達の幸せを祈り、見守っていく事を自分に誓う・・・・


圭祐は、気持ちを切り替えるかのように、シャワーを浴びて、その夜は
眠りについた。



また、柚葉も、圭祐が帰った後、自分がまだ圭祐を愛していることを
再確認したが、その気持ちには、改めて蓋をし、これからは湊を大切に
子供達と幸せになろうと、改めて心に誓い、圭祐の幸せを祈った。


夕方、菜々美を連れて、湊が来た時、

「湊、ありがとう・・・・・圭祐が喜んでいたわ・・・・」

「そうか・・・・来たか・・・・」

「うん・・・・・」

柚葉は、湊の手を握りながら、改めて、

「湊、本当にありがとう・・・」

柚葉は、感謝の気持ちを、素直に湊に伝えた。


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