幸せの掴み方
翌朝、湊は、朝早い撮影があったため、菜々美が起きる前には仕事に
出かけ、出かけるときに

「柚、今日、先生に聞いてみて、何かあったら連絡くれよ・・・・」

「うん、解ったわ・・・・行ってらっしゃい・・・」

湊を送り出し、リビングに戻ると、菜々美が起きてきた。

「おはよう、菜々美」

「・・・・・・・・・・・・」

「菜々美・・・・どうしたの? おはよう!」

柚葉は、何も言わない菜々美の前にしゃがみ、目線を合わせて、再度
挨拶をした。

しかし菜々美は、何も話そうとせず、俯いたまま柚葉の前に立っていた。

「菜々美・・・・・どうしたの? どこか痛いの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「菜々美、何も言ってくれないと、ママは、どうしたら良いのか
 解らないんだけど・・・・・」

それでも、話そうとしない菜々美に、柚葉は苛立ち始めた・・・・

「菜々美!! どうしたの? 具合が悪いの? ちゃんと教えて!
 そうじゃないと、ママ、分かんないから!!」

ついつい、柚葉は、大きな声を上げてしまい、その様子に菜々美も
目に涙を溜めながら、それでも話そうとしなかった。

柚葉は、今まで人に対して、こんなに大きな声を出したことは、
殆どなかった。

ましてや、子供達にも、大きな声で叱ったこともなく、菜々美は
そんな柚葉の姿に、怯えているようだった。
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