幸せの掴み方
その日、成田は、それとなしに幼稚園の出来事を、菜々美から聞いて
くれていた。

成田は、保育士と幼稚園の先生の二つの資格を持ちながら、コーチングも
学んでいて、託児所を利用しているお母さんたちの、良き相談相手でも
あった。

そんな成田に、感謝しながら、柚葉は、その夜、菜々美に、

「菜々美、菜々美は、今の幼稚園に意地悪されても行きたい?」

「・・・・・・」菜々美は、首を横に振り 「行きたくない・・・・」

柚葉は、その言葉を聞き、胸が詰まりながらも、

「ごめんね。ママ、菜々美が辛かったの、何もわからなくて・・・・
 
 ママと一緒に、新しい幼稚園、捜しに行こうか!?」

柚葉の言葉に、菜々美は、元気よく、

「うん!! 新しい幼稚園!捜す!!」

ここ数日間の苛立ちを、消し去ってくれる程の笑顔を菜々美は見せた。

この笑顔が、今の柚葉にとって、救いだった・・・・

本当なら、暫く菜々美の様子を見ながらも、もう一度幼稚園と掛け合う事が
良いのだろうが、園長先生や担任の言葉に、どうしても我慢できず、
あの場で啖呵を切ってしまった・・・・どうしても冷静になれなかった。

菜々美が人として・・・・否、自分が親として否定されているように
思えたのだ・・・・・

『子供が嫌がらせを受けていたのは、親が悪い!!』・・・・

誰もそんな事は言わないが、

『自分の子供が否定される=親が人として否定されてる』

そんな風に、被害妄想が出てきてしまう。




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