幸せの掴み方
「改めまして、ケビン・ウェールズです。」

「こちらこそ、久瀬 柚葉です。」

柚葉は、美代子に言われて、応接間でケビンに、再び会っていた。

柚葉は、緊張しながらも疑問をぶつけた・・・・

「早速ですが、昨日、湊を返してくれとおっしゃってましたが、
 どういう事なんでしょう?」

「湊は、何も話してないのか?」

柚葉が頷くと、ケビンは、ため息を零しながら

「全く、湊の奴・・・・・

 2年前、湊が帰って来たのは知っているよね!?」

「はい・・・・」

「あいつは、その時、フランスに永住する為に日本に残してあった両親の墓や
 何やらを自分がいなくても大丈夫なように手続きを取る為に帰って来たんだ。

 期間は、1年・・・・・師匠であるフレデリックにそう言って、彼は、
 日本へ帰国した。

 しかし、1年経っても湊は帰ってこなかった。

 フレデリックは、湊と連絡を取っていたらしく、湊の事は、あえて
 俺らには、何も言わないが・・・・

 でも・・・・そのフレデリックが、今、失明の危機にいるんだ。

 彼は、3年前、事故に遭って、その時、何も異常は見られなかったんだが
 湊が日本へ旅立つ前から、多分その事故の影響だと思うんだが、
 網膜剥離になってしまい、それもかなり進んでしまっていて、今では
 カメラを持つことさえ、儘ならなくなっている・・・・

 病状は、一進一退で・・・・・

 そんな彼は、湊を自分の子供の様に可愛がっていて、自分の後継者は、湊に
 するつもりでいるのに・・・

 多分、湊には自分の病気の事は、話してないと思うんだ・・・」

柚葉は、ただ静かにケビンの話を聞いていた。
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