幸せの掴み方
「フレデリックは、向こうで、『チャイルド・サポート』と言うNGOを
 運営している。

 それは、途上国の支援を、特に、子供達を支援する組織だ。

 当然、湊もそこの役員になっている。

 その組織は、今はフレデリックや俺達が主に運営しているが、いずれは
 湊が中心になる予定なんだ。

 湊は、日本にいる間も、『チャイルド・サポート』の事は、
 常に気にしているらしく、連絡はよく入っているようだが、ただ
 湊がいないとなかなか事が進まない事もあるんだ・・・・

 それに、元々は、1年の約束が、なぜか未だに帰ってくる気配がないのを、
 俺が、しびれを切らして、こうしてやって来たんだ。

 頼むから、湊を解放してくれ・・・・何なら、君がフランスに来れば
 良いじゃないか!?

 湊は、カメラマンとしても、チャイルド・サポートの件にしても、
 日本にいるよりは、フランスに居た方が、絶対彼の夢を叶える事になるんだ。

 それに、フレデリックの目には、もう時間がない・・・・・

 頼むから、湊を、フランスに帰してくれ!!」

 ケビンの切羽詰まった話に、柚葉は、何も言葉を発せなかった。

 それでも、柚葉は、

「湊は・・・・・湊は、どういってるんですか?」

「湊は・・・・もう少し、待ってくれと・・・・それしか言わなかった。」

「解りました。とにかく、湊と話をします。

 ただ、これは湊が決める事です。私が決める事ではないですから・・・・」

柚葉は、そう答える事しか出来なかった。
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