幸せの掴み方
美代子が入院してからの柚葉は、今まで以上に忙しくなっていた。

仕事に加え、フランス語のレッスン、それに美代子の病院と、日々時間との
戦いで、そんな中、美代子の担当医に呼ばれた。

柚葉が、一人で話を聞く予定にしていたが、湊が、

「俺も、一緒に話を聞くよ・・・」

そう言ってくれて、二人で話を聞くことになり、

「先生、母は、どうなんでしょうか?」

「・・・・・お母さんは、やはり当初の見解通り、胃がんですね!」

医師の言葉に、柚葉は、一瞬、耳を疑った!

「えっ・・・・・胃がんですか・・・・・」

「はい・・・・それでですね、早いうちに、手術をお勧めします・・・・」

医師は、病気の進行具合や、これからの治療法などを、丁寧に話始めた。

湊と柚葉は、真剣に話を聞き、時折、湊が質問をする・・・・

そんな二人に医師は、

「ところで、告知は、どうされますか?」

「「・・・・・・・・・・・・」」

二人は、一瞬、言葉に詰まったが、柚葉は、

「先生、母に、告知してください。

 今の所、手術を受ける事で、病巣を取り除くことが出来るようなので
 その後は、病気と上手に付き合っていく事になりますよね?・・・・

 それに、胃の摘出手術は、術後、食べ物に規制もあると聞いてます。

 それなら、最初から母には、病気と向き合って貰いたいので・・・
 
 私も支えますから・・・・・」

「解りました。では、この後、黒沢さんに、お話しさせて貰います。」

医師との話を終えた二人は、美代子の病室に顔を出した。
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