幸せの掴み方
湊は、美代子の顔を見て、少し話をすると、すぐに仕事へ向かった。

柚葉は、今日は、オフにしておいたため、午後からの医師の話に立ち会うことで
担当医との話はついていた。

そして、予定通りの時間に、医師が病室を訪ねて来た。

「黒沢さん、具合は、どんなですか?」

「あっ、先生。もう検査は終わったんですよね!?」

「はい、とりあえず、一通りは・・・・」

「・・・で、先生・・・私の病気は? なんですか?」

「黒沢さん・・・・検査の結果、胃がんと診断しました・・・・・・

医師の説明を、美代子は、真剣に聞き、時折、質問をしている・・・

柚葉から美代子を見ていると、覚悟を持って、話を聞いているよう
に思えて仕方なかった。

医師の説明も終り、手術の日程やら何やらの話が済むと、担当医は病室を
後にした。

そして、美代子は、

「柚葉、ごめんね・・・あなたがフランスへ行かなくちゃならない時に
 
 こんな・・・・・うっ・・・・・・

「母さん・・・・・」

美代子は、先ほどまでの気丈さが嘘のようにポロポロと泣き始めた。

そんな美代子を、柚葉は、抱きしめながら、

「母さん、一緒に頑張ろう!! 私が、側に居るから・・・・」

「柚葉・・・・・・・」

柚葉と美代子は、二人で抱き合いながら、暫く涙を流した。

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