幸せの掴み方
「それで、申し訳ないが・・・・虫が良いのは十分承知している・・・

 しかし、柚葉達を頼める人が、相楽さん、あなたしかいないんだ・・・・

 頼む、柚を、菜々美や真之介を、見守って、いざという時は、助けてほしい。

 俺は、多分、日本に戻ることはない・・・・電話で話を聞くことは出来ても
 抱きしめたりは、してやれない・・・・」

湊の辛そうな顔を見て、圭祐は、湊が柚葉達と、別れたくない事は
十分に分かった・・・

それに、圭祐に、柚葉達の事を頼むという事は、男として、
苦渋の選択だったに違いない・・・・

圭祐は、湊に

「解りました。俺が、どこまで出来るのか・・・・それよりも、俺の事を
 柚葉が、受け入れてくれるのかは、解りませんが、菜々美と真之介は
 俺の子供でもある・・・・

 3人の力になれるようにしますよ・・・・」

「ありがとう・・・・これで、安心して、向こうに行ける・・・・」

湊は、安心したような表情を見せ、圭祐も、何故かホッとしている自分がいた。

それから二人は、子供達の話になり、普段の菜々美や真之介の話を湊から
聞いて、圭祐は、子供達の成長を、垣間見たようだった。

圭祐は、自分が接してなかった、子供達との時間を、湊が一緒にいたことを、
単純に羨ましかった。

本当なら、自分が一緒に居れた筈だったのだが・・・・自分で手放して
しまい・・・その代償が、子供達との時間だった。

複雑な思いを抱えながらも、最後に圭祐は、

「久瀬さん、本当に、今まで、ありがとうございました。

 子供達が、元気で明るく成長していられたのは、久瀬さんのお陰です。」

圭祐の言葉に、湊は、

「私の方こそ・・・・柚達との生活は、本当に幸せでした・・・・」

最後に、二人は、握手を交わし、湊は、最後にもう一度、圭祐に
柚葉達の事をお願いして、二人は別れた。

 



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