幸せの掴み方
湊は、圭祐と、別れて、柚葉達の待つ部屋に帰った。

「おかえりなさい」

「ただいま」

柚葉も湊も、お互いを慈しむような顔をしながら声をかけた。

そして、リビングに居た菜々美に、

「菜々美、ちょっと、大切なお話だあるんだけど、良いかな?」

「うん、お父さん、どうしたの?」

菜々美は、湊の隣に座りながら、湊の顔を覗き込んだ。

「菜々美、お父さん、明日の午後には、日本を離れるから・・・」

「うん・・・・」

菜々美は、湊が、先にフランスへ行く事は承知していたが、まだ離婚の
事は、知らなかった。

「でね、菜々美・・・菜々美は、ママや真之介と一緒に、日本に
 残って、美代ちゃんを支えて欲しいんだ・・・・」

「えっ・・・・菜々美は、フランスには行かないの?」

湊は、菜々美の問いかけに、頷きながら、

「ママとお父さんは、別れることにしたんだ・・・・ごめんな・・・・」

菜々美は、柚葉と湊の離婚の話に、呆然とした。

「美代ちゃんにとって、ママは、たった一人の子供だろ!?

 お父さんにも、フランスにお父さんの大切なお父さんが待っているんだ。

 でもお父さんも、病気でね・・・・目が見えなくなってしまうんだよ・・・」

「えっ、そうなの?・・・・」

菜々美は、湊の話を聞きながら、湊にもお父さんがいる事を始めて知った。
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