幸せの掴み方
「久瀬君は、柚葉を撮った写真で、大きなコンテストで優勝し、その後
 写真家の巨匠と呼ばれる人から目をかけてもらって、久瀬君は、自分の
 夢を実現させるために、柚葉と別れて、フランスに渡ったの。

 でも、彼は、出発する直前まで、柚葉には、フランス行きを話せなくて
 フランスへ行けば、帰国は、何年後になるか分からない・・・・

 それなのに柚葉に、待っていてくれとは言えずにいてね・・・・・

 結局、久瀬君は、手紙に思いだけを書き残し、フランスへ旅立ったの。

 多分、柚葉の泣き顔が、見たくなかったんだと思うのよ・・・・

 久瀬君は、柚葉には、笑っていて欲しかったし、最後の顔も笑顔で
 別れたかったのよ・・・・」

圭祐は、美代子の話を聞き、改めて久瀬 湊という男を、垣間見たようだった。

「でも、あの二人は、また出会って、結婚した・・・・

 でも、今の二人には、自分たちがそれぞれ守らなくてはならないものが
 あることを知って、結局別れた。

 私も、自分が病気にならなければ、柚葉は、今頃、フランスへ行くための
 準備をしていたかと思うと・・・・

 圭祐君、私からもお願い・・・・柚葉達を、幸せにして頂戴・・・・」

「お義母さん・・・・僕で出来る事は、なんでもします。

 柚葉や子供達を、今度こそ、幸せにします。」

「ありがとう・・・・頼むわね!!

 ・・・・それと、もう一つ、お願いがあるの・・・・」

「何ですか?」

「会社を、柚葉に受け継ぎたいの・・・・・・

 今すぐでなくてもいいから、これから少しずつ、会社の事を知って貰って
 最終的には、柚葉と瑠菜ちゃんに任せようと思っているの!」

美代子の言葉に、圭祐は驚いた。
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