幸せの掴み方
「・・・・・そうか・・・引っ越して来たか・・・・。

 でも、随分急な話だな・・・・・・」

「・・・・うん、驚いた・・・・・」

事の経過を、あまり知られたくない柚葉は、少し動揺しながら、そう答えると
さすが、湊!! 柚葉の同様に気が付いたらしく、

「でも、何で急に引っ越して来たんだ? 柚・・・何があった?」

湊の話し方に、今までの経験上、逆らえないと感じた柚葉は、意を決して

「・・・・しが・・・にゅう・・ん・・から・・・」

「はぁっ? 何!・・・・聞こえない、柚葉!・・・・」

「睡眠不足と過労で、3日間入院したの!!」

最後は、柚葉も、半分やけくそ状態で答えた。

「・・・・はぁー・・・・柚・・・・それじゃー、皆が心配するよ・・・・

 俺だって、今すぐにでも、そっちに行きたい気分だよ・・・・・」

「ごめんなさい・・・・だって・・・湊がいなくなってから、記事のせいで
 記者に少し追いかけられたり・・・ それに真之介が、湊がいなくなった
 夜から、夜泣きするようになって・・・・」

「・・・・そうか・・・・ごめん・・・・」

「ううん、いいの・・・今は、落ち着いているから・・・・」

「そうか・・・・柚・・・相楽さんの事は、とにかく菜々美や真之介の
 父親でもあるんだし、手を貸してくれるのなら、遠慮なく、手を取れ。

 俺が、いないぶん、相楽さんを頼れ!

 そうでないと、仕事に育児に、美代子さんの事と、全部完璧にしようと
 すると必ず、ひずみが出る。

 柚、ちゃんと、周りにいる人達を頼って、助けてもらうんだ」

「・・・・うん、解ってる。 入院の件があってから、瑠菜にも
 母さんにも、相楽の両親にもそう言われた・・・・」

「じゃー、ちゃんと、これからは人を頼ることを覚えろ!

 柚は、すぐ、迷惑をかけるから・・・・って言うけど、そうじゃない。

 人は、『助けて欲しい』って言えば、快く助けてくれる・・・分かったな!」

柚葉にとって、湊の話は、耳の痛い話だった。
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