幸せの掴み方
圭祐の告白後も、今までと変わらない生活を続けている柚葉達だったが、
圭祐の事を、今まで以上に柚葉は意識するようになっていた。

圭祐に返事をしなくては・・・・と、思いながらも、今の微妙な関係から
一歩踏み出す勇気もなく、返事を保留のまま、3月を迎えた。

美代子の病気の後、柚葉は美代子の仕事を少しずつ手伝うようになっており、

美代子の病気がきっかけで、少しでも美代子の手助けになればと、
美代子の仕事を手伝い始めていた。

当然、柚葉は今まで、美代子の会社の業務など、知る由もなかったが、
回りの人達から聞きながら、少しでも美代子の役に立ちたくて、
柚葉に出来る事を手伝っているのが現状だった。

昨年の美代子の入院と、湊との離婚を機会に、柚葉は、モデルの少しずつ
仕事をセーブし、その分、美代子の仕事を手伝い、柚葉の仕事の比重も、
いつの間にか、6対4と、モデルの仕事よりも美代子の手伝いが、
多くなっている。

そして3月に入り、ある日美代子から

「柚葉・・・、あなたうちの会社に、正式の社員として入社しない?」

「えっ・・・・私が社員で?・・・・・」

「そうよ・・・・今までは、私の手伝いをしてもらっていたけど、4月からは
 菜々美も学校に上がるし・・・・菜々美も完全に恭子さんに任せるん
 でしょ?」


「うん、4月からは、恭子さんが私と菜々美の二人分のマネージャーを
 してくれるようになっているわ・・・・」

今まで、菜々美は、柚葉が自分の仕事をしながらも、菜々美のスケジュールを
管理し、恭子と二人で菜々美のマネージャーをしてきたが、春から、菜々美も
小学校に上がるのを機会に、完全に恭子に任せることにしたのだ。

菜々美の付き添いが無くなる分、柚葉は、美代子の仕事を手伝うことを予定
していたが・・・・・まさか社員として働くように言われるとは思っても
みなかった。

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