幸せの掴み方
その日、すっかり湊に警戒心を失くした柚葉は、いつの間にか
湊のモデルをすることを約束させられ、その日は、バイトが入っていた為
湊と別れてバイトへ向かった。

次の日、優香達に、昨日の湊との件を話すと

「えっ、柚葉、久瀬先輩と話したの!?」

一目散に、晴美と佳苗に追及させられた。

「う・・うん・・・・二人とも知っているの?」

「柚葉くらいだよ、久瀬先輩を知らない潜りは・・・・はぁ・・・・」

優香は、大きなため息を漏らした。

「えっ・・・そうなの? そんなに有名な人だったの?」

「そうよ。柚葉は、本当に男に興味がないんだから・・・・」

佳苗が、呆れてそう言い放った。

「久瀬 湊。現在、経済学部の4年生。元々は、旧華族の家柄出身で
 成績優秀、容姿端麗。
 連れて歩く女は、全て美人でスタイル良し。
 今まで、いろんな女性と浮名を流しながらも、本命は作らず・・・・
 しかし、彼の有名さは、そんな事ではなく、若干21歳にて、
 世界中のカメラマンが欲しがるコンクールの優勝を、久瀬 湊は
 欲しい侭にし、業界の中では、一目、置かれた存在!」

今度は、晴美が、湊のプロフィールを紹介してくれた。

「へぇー・・・でも、そんな人が、何で私なの?」

「「「・・・・・・・・・・」」」

三人は、湊は、多分柚葉の持っている、外見ではなく、元々秘めている
美しさを見抜き、モデルにと声をかけたのだろうと想像した。
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