【完】ダンデライオン
それから、キッチンに立ったおばあちゃんが、「丹精こめて作るわね!」と言って私に作ってくれたのは……素麺だった。
細かに刻まれた薬味、端に少し付けられたワサビと生姜。
キッチリと薄められた麺つゆ…。キレイに飾られた白い麺。
それはどこから見ても、美しく、完璧な素麺と言えた。
ただ、私の内心は穏やかではなかった。
えっ?何で素麺???
丹精こめて作った、素麺?
素麺って茹でるだけなんじゃ……いや、でも丹精こめるって言ってたし……。
もしかして、これおばあちゃんの手作り素麺??
…でも。
キッチンから、そっと……「そうめん」と書いてある袋が見える。
そういえば、そうめんは手作りは難しいらしいと聞くし。
あれは間違いなく既製品の素麺だと確信した。
まぁ、可も不可もなく……美味しかった。
「ごちそうさまでした。」
素麺を完食した私が、食器を流しに持って行くと。
「お粗末さまでした」
おばあちゃんはすごくニコニコしていた。
なんか、誇らしげというか。
ドヤ顔になってるんだけど……。
私の思う「料理」と、おばあちゃんの思う「料理」は……意外と違うのかもしれない。