【完】ダンデライオン






それから、キッチンに立ったおばあちゃんが、「丹精こめて作るわね!」と言って私に作ってくれたのは……素麺だった。





細かに刻まれた薬味、端に少し付けられたワサビと生姜。
キッチリと薄められた麺つゆ…。キレイに飾られた白い麺。




それはどこから見ても、美しく、完璧な素麺と言えた。







ただ、私の内心は穏やかではなかった。






えっ?何で素麺???
丹精こめて作った、素麺?





素麺って茹でるだけなんじゃ……いや、でも丹精こめるって言ってたし……。





もしかして、これおばあちゃんの手作り素麺??
…でも。





キッチンから、そっと……「そうめん」と書いてある袋が見える。






そういえば、そうめんは手作りは難しいらしいと聞くし。

あれは間違いなく既製品の素麺だと確信した。







まぁ、可も不可もなく……美味しかった。





「ごちそうさまでした。」






素麺を完食した私が、食器を流しに持って行くと。






「お粗末さまでした」






おばあちゃんはすごくニコニコしていた。
なんか、誇らしげというか。
ドヤ顔になってるんだけど……。







私の思う「料理」と、おばあちゃんの思う「料理」は……意外と違うのかもしれない。









< 13 / 286 >

この作品をシェア

pagetop