【完】ダンデライオン
「あの人の元に着くまでの道の距離は、人それぞれなの。」
「え…?」
人それぞれって、どういうこと…?
私の理解できていない様子を見て察してくれたのか、ケイスさんは説明してくれた。
「ウィルさんの占いを心から必要としている人は、あの角を曲がってから数歩ほどの距離でたどり着くの。」
「へぇ……」
私はその話を聞いて、数歩で着くなんて近いんだなぁ…なんて関心していた。
でも、それだけではなかった。
「でも、心から必要としていない人は、何時間もその道を歩かないとたどり着けない。……そう言われているわ。」
そんなこと、ありえるの…?
物理的な問題で、そんな大きな差が生まれるとは思えない…。
でも……
私の疑いの目に、ケイスさんは自身の経験も話してくれた。
お互いに一口飲み物をすする。
ピンク色の飲み物は、何か分からないものの甘くて美味しかった。
「私は、半信半疑で行ったら1時間歩いたわ。それに比べて深刻に悩んでいた友人は、1分で着いたそうよ。」
「そんな……」
「信じられないなら、行ってみれば良いわ。ウィルさんに占いや相談があるんなら…真剣の程度が分かるんじゃない?」
まぁ、確かにそうなのかもしれない。
でも、真剣とかそうじゃないとか以前に……。
おばあちゃんに行ってみたら、って言われたから行ってみるだけの私は…どれくらい歩くんだろ…。
森の中も結構歩いてるし、あんまり歩かないと良いなぁ…。
できれば30分くらいでお願いしたいなぁ…。
なんて祈りつつ、私はそろそろカフェを出発することにした。