【完】ダンデライオン





ガチャ、と突然木でできているドアが開いた。
驚きに、ビクッと肩が震えた。




ドアの向こうから姿を現したのは、見知った人によく似ていた。





「……お、ばあちゃん…?」





その人は、私がさっき別れたばかりのおばあちゃんだった。
でも服装は違った。




その人は、私の顔を見るなり、ニコリと笑った。





「春川…たんぽぽちゃん?」




「え…?は、はい……」




突然名前を呼ばれ、私は混乱した。
何でフルネーム??




「私はウィル。…どうぞ、中へ入って。」




「は…はぁ……」




会話はイマイチ噛み合わないまま、私は家の中に招かれた。




家の中は、入ってすぐのところに広いリビングがある。


大きな木でできたテーブルと、木でできたイスが置いてある。
茶色くて、キレイな光沢があるテーブルとイスだった。




「ちょっとだけ待ってて。ここに座ってて。」




そう言われ、イスに座るよう案内されて、促されるままに座った。




テーブルの上には、ティーポットとティーカップ。
お茶うけなのか、クッキーみたいな焼き菓子が置いてある。




勝手に室内を見たら悪いなぁ、と思うけど好奇心には勝てない。

室内を見回す。




室内には、あまり物がなくて質素な感じ。
壁には風景画が飾ってあって、秋の美しい紅葉の絵だった。




窓は、この国の建物にしては小さめだけど光の取り込みがよくて、とても明るい。
夜なら星が見えそう。








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