【完】ダンデライオン
「物事の理解には、それにふさわしい時というものがあるの。まぁ、要するに、今あなたに伝えても無意味ということね。」
「は……はい。」
無意味って……。
あんまりにストレートな言い分に、思わず頷いた。
「ちなみに、姉さんに何かもらってるものがない?」
「えっ……あ、この鏡?」
リュックの中からお花の形をした鏡を取り出した。
これくらいしか分からない。
「あぁ、それね。大切に持っておくのよ。きっと必要になる。」
ウィルさんは、その手鏡を見た瞬間、目を細めた。
その手鏡を見て、納得したらしい。
ウィルさんの、その言葉には聞き覚えがあった。
「おばあちゃんと、同じことを言うんですね」
ウィルさんは特別驚いた様子はなかった。分かっていたのかもしれない。
「そうね。姉さんの考えることなら大体分かるわ。」
姉さんと呼び、おばあちゃんのことを話すウィルさんは、うっすらと笑みを浮かべていて少し楽しそう。
姉妹の信頼関係とでも言うんだろうか……。
なんだか羨ましい。
ウィルさんは、一つ焼き菓子を手にとった。
私にも一つくれた。
とっても甘くてしっとりとしていて、美味しいお菓子だった。
二人とも、焼き菓子に夢中になっていたけど、ウィルさんは突然何か思い出したようだった。
「あぁ、そういえば…姉さんから、言葉を教わったりしていないかしら?」
「言葉?」