【完】ダンデライオン
ウィルさんは、またフー…と私息をついた。
「でもね、時間の流れっていうのも、たんぽぽちゃんの言う通りで大切だと思うの。だから、国王の気持ちもわかるけど、良かったとは言えない。」
「ウィルさんも……?」
「たんぽぽちゃんや、エルノのように子どものままで年齢が止まってしまう人も、この国にはいるけど……こんな風に、老婆にならないと分からないこともあるってこと。」
なんか、深い話だなぁ…。
なんて考えていたけど。
テーブルの上に置いていた私の手を、ウィルさんがそっと握った。
あたたかくて、柔らかい手。
「たんぽぽちゃん。時間は永久のものではない。それは、素晴らしいことよ。でも…だからこそ大切にしなくちゃいけない。」
「…はい。」
「これから、どんなことがあっても……あなたは、あなたのままでいるのよ。」
強く手を握られる。
ウィルさんの、目が真剣だ。
きっと、これが私に本当に伝えたかったメッセージ。
きっと、まだ理解する時じゃないから言ってくれないんだろうけど……
ウィルさんには、私のどんな未来が見えたんだろう……。
「ウィルさん…ありがとうございます。」
ウィルさんの手を、私も握り返す。
その手のあたたかさを、忘れないように。
「私は、あなたに可能性を感じている。この国の、魔法をとく可能性よ。」
「可能性……?それ、おばあちゃんも言ってました。」
そう答えると、ウィルさんは少し驚いた顔をして、嬉しそうに笑った…。
「そう…。姉さんが同じことを……」
きっと、離れていても。もう会えなくても。
お互いを感じ合える何かがある。きょうだいって、そういうものなんだろう…。
私は一人っ子だけど、そう思っておばあちゃんとウィルさんをうらやましく思った。