【完】ダンデライオン
物音も立てず、いつの間にか私のすぐ後ろにおばあちゃんは立っていた。
「ご飯が出来たから呼びに来たんだけど……あの奥の部屋は見てないわよね?」
「奥の部屋?見てない……ってゆうか!奥の部屋から煙みたいなのが出てるんだけど!?」
「煙??」
おばあちゃんはキョトンとした顔で私が指差したドアの煙を確認する。
そこからは変わらず、うっすらと白っぽく煙が僅かに漏れていた。
その様子を確認すると、おばあちゃんは「目ざといねぇ…」ってボソリとつぶやいた。
でも、何事もなかったかのようにニコッと笑顔になった。
「たんぽぽちゃん、あれは気にしなくて良いのよ。」
「ええっ!?でも火事とか…!」
私が必死に言い募っても、おばあちゃんは微笑んだまま。
笑っているのに、何だか威圧感があって私は言葉が続けられない。
「あれは火事なんかじゃないわ。大丈夫よ。……さ、ご飯にしましょ。」
「…………」
おばあちゃんの頑ななまでの態度に、きっと触れてはいけないことなのだろうと察した。
そのまま1階に降りて、2人で夕ご飯や素麺を食べた。
相変わらず、可も不可もなく、
美味しかった。