【完】ダンデライオン
ハードルを上げられて、内心で焦っている私には気付かないみたい。
エルノは少し照れたように話した。
「もしも…この国の魔法がとけるのなら…王位を継承できたら、あの決まりを失くしたいと思ってるんだ。」
「えっ…?それって…!」
「僕が、王になりたい理由の一つだよ。」
その目は真剣で、私は彼の本気を悟った。
そこまで話したエルノは、一気に恥ずかしくなったのか紅茶を飲んだ。
その後も目が合わないから、多分相当照れてる。
その様子を見て、私も気が付いたら笑顔になっていた。
「…そっか。そうなんだ……」
だって、エルノがそんな風に考えてくれていたのが嬉しい。
「うん…。僕は国民のため、そして…おばあさまのために、王になりたいと思ってたんだ。」
何だか、心があたたかい。
そっと、テーブルの上に乗せられた、エルノの左手をとった。
色が白くて、指も細長くてキレイ。
その手も、とてもあたたかい。
エルノの手をとる私を見て、彼は照れたように笑った。
その笑顔を見て、もっと、あたたかくなる。
まるで、春のように。