【完】ダンデライオン
そのまま、私はその手を握ったままだった。
エルノも振り払うことなく、そのままにしてくれている。
「ねぇ、エルノ……春って、こんな感じなんだよ」
「え……?……ごめん、意味分からないんだけど」
「ハァ!?」
さっきまでイイ雰囲気だったのに、エルノのせいでぶち壊しになってしまった。
エルノは悪びれる様子もない。
「いや、ごめん。たんぽぽの言ってることが、抽象的すぎて分かんなくて。」
「はぁ……情緒ってもんが分からないの〜?」
エルノは「ごめんごめん」、とか謝ってるけど、何だか雰囲気がすっかり変わってしまった。
この雰囲気の中で具体的に説明するのは、なんかポエムを紹介するみたいで恥ずかしい……。
「だからっ!春って、この手のあたたかさみたいに……心地良いんだよって教えてあげたかっただけ!!!!」
最後はちょっとキレ気味に説明してしまったけど、こーゆーことは雰囲気で察してくれないと困る!!
エルノは、最初はキョトンとしたけど、ニッコリ笑った。
「たんぽぽは、一生懸命で可愛いね。」
「は!?」
な、なに…!?
なんでイキナリ、可愛いなんて…
動揺する私の左手を、次はエルノの両手が包んだ。
「え…!?」