【完】ダンデライオン
「えー……魔法って……それはナイと思ってるよ」
「信じてないってこと?」
おばあちゃんの目は真剣だった。
これはからかってる人がする顔ではないと思う。
でも、だからこそ適当な返事をしてはいけない気がした。
「……魔法を見たことがないし、信じてないよ。」
「じゃあ……おばあちゃんが魔女っていうのも、信じてない?」
「え………?」
…おばあちゃんは、何が言いたいんだろう?
その真意が、全く分からなかった。
おばあちゃんはしばらくの間、すごく真剣な目で私を見ていた。
私も、おばあちゃんも、言葉を交わすことはなかった。
何と言えば良いのかも分からなかった。
しばらく見つめあいは続いたけど、おばあちゃんは「ふぅ…」と一息をついたあと。
「着いてきて?」とだけ言って、2階に昇っていった。
返事も聞かずに歩き出すおばあちゃんの背を見て、私も着いていってみる。
何となく分かる。
おばあちゃんが、足を進めているのは…あの奥の部屋だった。