【完】ダンデライオン
扉の中の部屋は、まるでテレビで見る外国の部屋だった。
広さは10帖くらいのフローリング。
丸いテーブルに、表紙の分厚い洋書が沢山重なっていた。
それに、陶器のティーポット、ティーカップとソーサー。
薄暗い部屋の中には、ロウソクの灯りしかない。
壁や床には、何かの模様と英語みたいな言葉が書かれてある。
……薄暗くて、よく見えない。
そして、端の壁には……どこにも繋がっていないのに、なぜかドアがあった。
そして、震えるような冷気は、そのドアからのように感じた。
……怖い。
そう思わせるような特別な要素はなかったのに、そんな風に思ったのは本能なのかもしれない。
「おばあちゃん、この部屋……」
「魔女の部屋だと、言ったでしょう?」
寒さなのか、恐怖なのか、指が震える。
おばあちゃんは薄暗い部屋に足を踏み入れて、私にも部屋に入るよう促した。
ひんやりしている室内に、冷房器具は見当たらない。
この冷気は、どこから来るんだろう……
おばあちゃんは、テーブルの上の洋書にそっと触れた。