【完】ダンデライオン







扉の中の部屋は、まるでテレビで見る外国の部屋だった。






広さは10帖くらいのフローリング。

丸いテーブルに、表紙の分厚い洋書が沢山重なっていた。






それに、陶器のティーポット、ティーカップとソーサー。






薄暗い部屋の中には、ロウソクの灯りしかない。






壁や床には、何かの模様と英語みたいな言葉が書かれてある。
……薄暗くて、よく見えない。






そして、端の壁には……どこにも繋がっていないのに、なぜかドアがあった。







そして、震えるような冷気は、そのドアからのように感じた。






……怖い。




そう思わせるような特別な要素はなかったのに、そんな風に思ったのは本能なのかもしれない。







「おばあちゃん、この部屋……」






「魔女の部屋だと、言ったでしょう?」







寒さなのか、恐怖なのか、指が震える。






おばあちゃんは薄暗い部屋に足を踏み入れて、私にも部屋に入るよう促した。






ひんやりしている室内に、冷房器具は見当たらない。
この冷気は、どこから来るんだろう……






おばあちゃんは、テーブルの上の洋書にそっと触れた。










< 21 / 286 >

この作品をシェア

pagetop