【完】ダンデライオン






でも、私にはあまり聞き取れなくて……もう一回言ってもらおうと思った。




「今、なんて言ったの?」




『いや……お前は知らなくて良いことだ』





「えぇっ、言ってよー!気になるじゃん」




『もう良い。』






もう一回言って、と何回か頼んでもマグノアは否の一点張りだった。





「もう…っ!マグノア!」





だんだんイライラしてきて、大きな声が出る。


私の非難するような目を見て、マグノアはフッと笑った。





『情けない話だ……そんな話を、お前に聞かせたくはない。』





「………そっか。ならもう聞かないよ…」





そう言われると、なんか突っ込めなくて引いてしまう。

私が、もう聞くつもりがないと察したマグノアは、ニヤリと笑った。




『…じゃあもう聞くなよ?』





「は…はぁっ!?」





こ、コイツー!!!!
騙しやがったー!!!!




そんな私を嬉しそうに見ながら、マグノアは私に背を向ける。






『……悪いが、仲間たちが呼んでいる。……じゃあな。』




「えっ……ちょっと待っ……」





私の返事を聞かず、マグノアはまたもや走り去って行った。






私は、ふと右手の手鏡を見る。
そして、左手の人差し指をクイ、と曲げた。



さっき持ち上がった小枝が、また空を舞った。





マグノアが立ち去っても、私は魔法が使えるという事実は変わらなかった。












< 232 / 286 >

この作品をシェア

pagetop