【完】ダンデライオン
取り残された私は、手鏡をそっと上着のポケットに入れた。
また渋々と森を歩いて抜け穴を通って、お城に戻った。
準備された部屋に戻ろうと、長い廊下を歩いているとエルノに鉢合わせした。
「あっ!たんぽぽ!どこに行ってたの?もう食事の時間だよ!」
「え…!?えっと、あの……」
もうそんな時間だったのか、と少し驚く。
エルノに質問されて、返答に困る。
あんまり森に行っていたとは言わない方が良いんだよね…?
何て答えよう……
「え、えっと……探検してて、お城の中を迷いながらウロウロしてた…」
「へぇ……そうだったんだ?」
エルノはキョトンとしていたけど、納得したのかニコッと笑った。
「まぁ良いよ。迷ってなくて良かった。そろそろ夕食の時間だから部屋に呼びに行こうと思ってたんだ。……行こう?」
そう言って、エルノは私に向かって手を差し伸べる。
「……うん。」
その手を取ると、とても嬉しそうな顔で微笑む。
その笑顔はとてもキレイで、思わず見とれる。
その手を取ることに抵抗がなくなり、笑顔を見ると胸がドキッとする。
その笑顔を、ずっと見ていたいと思ってしまう。
何となく分かった。
私は、エルノのことが、好きだと思う。