【完】ダンデライオン
「ごめんね、たんぽぽ……困らせて、ごめん。」
「そんなことない…!だって……私も、」
感情が高ぶったのか、涙が出てきた。
私も、エルノを抱きしめ返す。
「エルノのことが、好き……」
エルノはそっと、抱きしめていた体を離す。
私の目尻の涙を、そっと指で拭ってくれる
さっきまで、泣きそうな顔をしていたのに…嬉しそうに笑っている。
ジッと、エルノの表情を見つめる。
そのヘーゼル色の透き通った瞳も、高く筋の通った鼻も、キレイに口角が上がった唇も、全てが芸術品のように美しい。
その笑顔が、見れて嬉しい。
そう思うと、私も自然と笑顔になった。
「ありがとう。たんぽぽ…」
私とエルノは、どちらからでもなく手をつないで。
しばらくの間、会話はなくてただただ空を眺めた。
いつか来るであろう、エルノとの別れの日を覚悟しながら。