【完】ダンデライオン
その名前を聞いてから、「会います!」と私は即答した。
執事のおじいさんは、かしこまりました…と返事をして、私を謁見の間に案内してくれた。
長い廊下を抜けて、とても大きなドアがある部屋の前に着いた。
観音開きの、両側が開くドア。
……これって…押すの……?
片方のドアを押すの?両方押すの?
私が、一瞬ためらうと、執事のおじいさんはニコリと笑ってドアを開けてくれた。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます…」
ドアが開いて、謁見の間へと足を踏み入れた。
入ってすぐに、ケイスさんが座って待っているのが見えた。
私が入ってきたのを見て確認すると、ケイスさんは立ち上がった。
「たんぽぽ!」
「ケイスさん!」
私もケイスさんへと駆け寄った。
二人で手を取り合う。
ケイスさんは、ニコニコしている。
「初めて謁見の間に来たわー」
「そうなんですか?」
そう聞くと、ケイスさんは深く頷いた。
「誰にでも来れるところじゃないのよー。…まさか、たんぽぽがお城に滞在してるなんて思わなかったしー。」
「あぁ…まぁ。」
お城に泊まらせてもらうことは、やっぱりすごいことだったんだろうと思って、言葉を濁す。