【完】ダンデライオン
「な、なに…?」
「あ…驚かせてすみません……あの、エルノのことなんですけど」
エルノの名前を出すと、「王子?」とケイスさんはキョトンとしていた。
特に思い当たることはないらしい。
でも、私はどうしても聞きたかった。
「あの……この前、通りのお店の皆さんで、エルノの悪口を言ってましたよね……?」
「あ………」
ケイスさんは、私が何を言いたいのか気付いたらしく、気まずそうな顔をした。
ケイスさんのこんな顔は、初めて見る気がする。
「たんぽぽ…知ってたの…?」
「……エルノも、知ってると思います。」
確証はないけど、多分当たっている。
そう言うとケイスさんは目を伏せて、そして、目を閉じた。
「そっか……。たんぽぽは私たちが王子を嫌ってると思ってるかもしれないけど…私たちは王子のこと、嫌いじゃないんだよ…」
「えっ??」
あんなに悪口言ってて嫌いじゃない…?
なんか信じられない。
それが思い切り顔に出ていたのか、ケイスさんは苦笑いをしていた。