【完】ダンデライオン




私の言葉を聞いた瞬間、エルノの表情が強張る。




「……え?」




「私、これから森に行こうと思うんだけど……エルノも一緒に行かない?」





私は、これから森に行こうと考えていた。
出来れば、エルノにも一緒にきてほしかった。



エルノのお父さんのことを、マグノアに聞こうと思っていたから。




誰も知らない、国王の死の理由。
そこに、魔法をとく鍵があるかもしれない…と私は思っていた。




私のそんな思惑は知らないエルノは、明らかにうろたえていた。




「え…いや、でも森に行っては…」




「森へ行ってはいけないのは知ってる。それが、身の危険があるからなのも知ってる。……でも、知らないと前に進めないこともあるんじゃないかな…?」




私の言葉に、エルノは驚いて固まった。




「……たんぽぽは、森へ行けば何かが分かるって知ってるの?」




「それは分からないけど……」





私が言葉を濁すと、エルノは真剣な表情で私の手を握ってきた。




「でも…僕よりもきっと真実を知っている。……お願い。たんぽぽが知ってるこの国のことを僕に教えて…」





その表情はとても真剣で、必死だった。




彼も本気だというのは分かったものの……

今まで彼に本当のことを伝えてこなかったのは、色んな人の彼への愛情だと分かっているから……



私がそれを言ってしまって良いのか、悩んだ。




私の迷いさえも分かっているのか、エルノは握った手はそのままに優しく微笑んだ。




「大丈夫だよ。僕は全てを、受け入れるから。」




その笑顔を見て、私は決意が固まった。
彼に、私が知る全てを伝えようと。












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