【完】ダンデライオン
全てを知った時、私は悲しかった。
ただただ、悲しかった。
涙が出てきて、目頭が熱い。
鼻もツンとする。
マグノアは私を慰めたいのか、足元にすり寄ってきた。
『……泣くな。もう終わったことだ。』
「まだ……終わってないでしょ」
マグノアが、そう言った瞬間…背後から、否定の声が聞こえた。
それを言ったのは、私じゃない。
私は驚いて振り返った。
「…え?…エルノ……?」
そこに立っていたのは、エルノだった。
「……?何でここに…?」
「たんぽぽ……さっきはごめんね。僕は、全部受け入れるって言ったのに……最後の勇気が持てなかった…。」
エルノは、泣きそうな顔をしていた。…というか、ほぼ泣いていた。
「だけど、やっぱり受け入れないといけないと思ったんだ……それで、たんぽぽがしつこく聞いてきた抜け穴を通って森へ出たら……」
私たちがいた、ということか……。
でも、エルノは………
「あの……私たちの話、どこからどこまで聞いてたの…?」
「……父の話を始めた頃から…」
これで、エルノも全てを知ってしまった。
『エルノ………』
マグノアは、エルノを震える声で呼んだ。
呼ばれたエルノは、マグノアの姿を見て、泣き出した。
「マグノア……マグノア…」
エルノはマグノアに歩み寄って、マグノアの首に抱きついた。
マグノアは、退くことはしなかった。