【完】ダンデライオン
「マグノア、ごめん……ごめん…っ、僕は、何も知らなくて……ごめん、マグノア……!」
エルノはマグノアの首にしがみついて泣いた。
マグノアは、そっと目を閉じた。
『お前たち家族は……私が擦り寄ることをしなくても、いつも触れて、撫でて…温もりを与えてくれるんだな……』
そう話すマグノアは、微笑んでいるように見えた。
私は、それを見つめた。
マグノアが今日まで国王のことを、おばあちゃんにも、誰にも話さなかったのは……
きっと「約束を守れなかったから」とか、「情けないから」、なんて理由じゃないと思う。
ひたすらに、エルノのために。
国王が自殺であると、エルノが知ることのないように胸に秘めて。
自分はどんなことを言われても、耐えてきたんだろう。
それは、エルノを守れてるって言うと思うよ……。
きっと、そんな風に思ってはくれないだろうけど。
そしてエルノもマグノアを思い、森へ出ることを決してしなかった。
この二人は、ちゃんとお互いを思い合う、兄弟のようだと思う。
しばらく、エルノはマグノアの首にしがみついていたけど……
その時間も長くは続かなかった。