本音は君が寝てから


「今日も取材?」

「はい、作家さんと。ここのコーヒーおいしいので、何度も利用させていただいてます」

「それはありがとうございます」

馴れ馴れしすぎずだけど友好的に接してくる彼女は、俺にとってはかなりの好印象で、心が傾くのはすぐだった。

旦那はいるのか。
彼氏はいるのか。

すぐにそんなことが気になるようになり、左手の薬指をチェックする。

見たところ指輪はつけていないが、仕事中だからはずすという人間もたくさんいるだろうし。

きちんとしてる様子の彼女は、そっちのタイプのような気がする。


 そんな風に毎日毎日彼女を探し、彼女を見るたびに、彼女の背景が気になっていることを自覚する。

やばい。
46のおっさんを誰が本気で相手にする?

この歳から恋愛して振られたらかなり痛い。


それに、彼女だってそれなりの年齢だ。絶対に相手が居るに決まってる。
深入りしちゃいけない。

……そう思うけれど、何故か俺の目はたまに来る彼女を欠かさず見つける。
話せた日は仕事も絶好調なのに、話せなかった日は無駄に苛立つ。

どうして気持ちにブレーキがかけれないんだろう。
自分自身が思うようにならないのはとても歯がゆかった。



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