本音は君が寝てから
勢いづいて彼女の手首を掴んだが、そのあまりの細さに驚いて手を離してしまった。
なんだよ。こんな細い腕で大丈夫なのか。
バリバリ仕事してるようなのに、食わなきゃ倒れちまうんじゃないのか。
「ちゃんと食ってる?」
「え? はい」
「もっと食べた方がいいよ。細い」
「皆こんなもんですよ」
「他の人は知らないけど、君に倒れられるのは困る」
この言葉に彼女から返答は無かった。
だけど、歩き出した俺の後ろにチョコチョコとついてくるところを見ると、まだ俺と話してくれる気はあるらしい。
向かった先は駅前のこじゃれたバー。
実はこの手の店にはあまり入ったことが無い。勝手が分からずぎこちなく店員を待っていると、彼女の方が「あそこ空いてますよ」と席を指差した。
ゴホンと咳払いをして、彼女に椅子を勧める。
今のところ、ちゃんとスマートにエスコートできているのだろうか。
「酒、飲めるよね」
「……はい」
彼女はずっと元気が無い。
聞きたいといっていた仕事の話も、話してみるも盛り上がらず、すぐに沈黙がやってくる。
間が持たないから酒ばかりがお互いに進む。