お前のすべてを愛してやる【完】
中学校3年間は、無視されることもなく、かと言ってワイワイすることもなく、ただ学校へ通った。



水疱も少しだけ落ち着き、学校に通うことは小学校の頃に比べたら苦痛ではなかった。



けれど、楽しくもなかった。



公美と優子とは相変わらず仲は良かったが、クラスは3年間また別々だった。



それでも登下校は、いつも一緒だった。



「あやっぺ、高校はどこ行くか決めたー?」



いつもの帰り道。



中3の亜矢乃たちは受験生。



亜矢乃は働くことを考えていた。



だけど。



「ダメだ。高校くらいは出ておけ」



「そうよー、大学に行かないっていうならまだしも高校くらいは、ね?」



康太と美和に反対されたのだ。
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