お前のすべてを愛してやる【完】
そしてそれは荒っぽくではなく“荒い”と証明される。



―ガタンッ…!!―



二度目の強い揺れ。



「……っ!?」



吊り革に掴まっていたものの、あまりの強い揺れに体勢が崩れた。



(ヤバイ…!!)



グッと力を入れようとした、その時だった。



―グイッ…!!―



誰かが腰に手を回し、亜矢乃はその人の胸に飛び込む形となった。



「大丈夫か?」



右上から声がして見上げた。
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