青の向こう
もうしばらく行っていなかったのにここまで鮮明に思い出せるのは何故だろう。
記憶力はそういい方ではないが、勉強の暗記と、記憶を思い出すのはやはり違うものなのだろうか。
けれど今はその記憶通りにはなっていないかもしれない。
もう何年も経っているのだ。
あの神社だってどこか変わっていてもおかしくない。
なおも真っすぐに小道を歩いていると、徐々に上り坂になっていくのが分かる。
ここからは平らな道が少なくなり、団地らしい小坂が地味に続いていく。
これが部活帰りの学生には辛い。
元気のいい運動部も、部活が終了する頃にはもう疲れは頂点になっているだろうに家に帰るにはこの試練が待っているのだ。
夏の灼熱地獄なら尚更。
だから立ちこぎしながら家の辺りまでこいでいくのはかなりきつい。
それでも茂達、野球部は右へ左へとふらふらしながら自転車をこいで行く。
同じ年齢なのに明らかに体力の差をつけていく彼らの後ろ姿を、自転車をついて歩きながら見つめる。
男の子なんだなあ、と思う。