青の向こう



しかし大抵の学生達はほの暗くなったこの道を、自転車をついて上がっていく。

帰る頃には出来ているだろう、美味しい夕食を想像しながら。




やがて右手に鳥居が見えてきた。

恐らく綺麗な紅色に染まっていたこの柱も今では橙色に近い。


私は鳥居の前でぴたりと立ち止まった。


辺りの生い茂る木々のせいで神社の中は木陰が沢山出来ていて暗かった。

すう、と息を吸うと、ほんのり湿った土と冷たい風の匂いがした。


神社だ。

なんていう神社なのかも分からないけれど神社と言えばここだ、と思える場所。


やっぱりここは何も変わってない。
< 17 / 89 >

この作品をシェア

pagetop