幻影都市の亡霊
「その涙は、何の涙だ?」
「聞くか? 普通……」
ヨミが実体の無い手でわしわしと頭をなでる。
「一緒に行動しても、良いよな?」
「好きに、しろよ」
ウェインは吐き捨てた。ヨミはにこっと笑い、
「さっきの答えが保留になってる。で、一緒に来てくれるのか?幻界に」
「…………」
ウェインは答えなかった。答えるためには、時間が少なすぎた。
「……すぐにじゃ、駄目か?」
「いや、そうでもない。迷ってるんなら、もう少し考えてみれば良い。ただ、時間制限があるぞ。あんまり長い時間、幻界に置いておいたら、身体が消えちまうし」
ウェインが、眉をひそめ、
「……リミットは?」
「そうだな、一ヶ月以内、一ヶ月超えたら、さすがにきついと思う」
するとウェインは意を決して頷いた。ずるずる考えても仕方がなかったからだ。
「俺、命狙われてるんだよな? 守れよ、お前」
「わかってる」
「俺はお前と幻界に行く」
ヨミは嬉しそうに笑った。本当に嬉しそうな、晴れやかな笑みだった。
「聞くか? 普通……」
ヨミが実体の無い手でわしわしと頭をなでる。
「一緒に行動しても、良いよな?」
「好きに、しろよ」
ウェインは吐き捨てた。ヨミはにこっと笑い、
「さっきの答えが保留になってる。で、一緒に来てくれるのか?幻界に」
「…………」
ウェインは答えなかった。答えるためには、時間が少なすぎた。
「……すぐにじゃ、駄目か?」
「いや、そうでもない。迷ってるんなら、もう少し考えてみれば良い。ただ、時間制限があるぞ。あんまり長い時間、幻界に置いておいたら、身体が消えちまうし」
ウェインが、眉をひそめ、
「……リミットは?」
「そうだな、一ヶ月以内、一ヶ月超えたら、さすがにきついと思う」
するとウェインは意を決して頷いた。ずるずる考えても仕方がなかったからだ。
「俺、命狙われてるんだよな? 守れよ、お前」
「わかってる」
「俺はお前と幻界に行く」
ヨミは嬉しそうに笑った。本当に嬉しそうな、晴れやかな笑みだった。