散華の麗人
そして、背を向ける。
「次会うときは、俺は敵か国王だ。貴様を愛せない。」
静かに足を踏み出した。
「いやだ!!愛せないなんて、言うな。認めない。……愛してるくせに!」
慟哭に雅之は動揺する。
「……愛するわけにはいかない。」
そして、視線を向けた。
「せめて、貴様は俺を―――――」
その後の言葉は風が攫っていった。
遥葵は頷き、去ってしまった雅之の面影を想う。
(……また、おいてけぼりか。)
困ったように苦笑した。
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