散華の麗人
そして低く呟く。
「そうと確信を得たからには会いに行かないとね。」
「この俺を前にして言うのか。良い度胸だ。」
「あはは!」
自信有り気な雅之に声を上げて笑った。
「何がおかしい?」
雅之は声の主を睨む。
「本当、愉快だなって。」
声の主は笑いながら言う。
「愉快だけど、残念ながら君に興味はないんだよね。」
「国王に害を加える者を見過ごすとでも?」
雅之は挑発的な笑みで短刀を構える。
「へぇ。」
声の主は楽しそうだ。
柳は雅之が敵意を露にした瞬間に、剣を構える。
「取引相手として、生かすつもりだったけど。」
柳は雅之を見る。
「交渉決裂だな。貴様ら纏めて葬ってやる。」
雅之は二人を見据えた。
一触即発の空気だ。
しかし、二人の視線が雅之から外れた。
その違和感に、雅之も視線の先へ目をやる。
それと同時に銃撃が一閃した。
“バンッバンッ”
銃弾が市女笠の人物へ向かう。
“キィンッカキィン”
それを柳が弾いた。
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