彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
「ごめんごめん、ホントに。無理に誘って、ゴメンな?」
『ち…ちが…ちがう…か、ら…。』
緊張と恐怖により息荒くなったあたしを、亜優が優しく背中をなでてくれた。
大きくて温かいその手が、少しずつあたしを安らげていった。
同時に、…もしもの可能性の、『過ごしたい』の意味に対するドキドキもちょっとずつ薄れていった。
うん。
なにがあったって大丈夫。
亜優を受け止めよう。
大好きだから。
きっと、大丈夫。
浮かれてるだけかもしれないしね。
ふーーーー………。
『は、はぁ…ふぅ…はぁ…、うんっ!大丈夫、オッケっ』
「そっか、よかった」
亜優はニッ、て笑った。
亜優は、「本当にか?本当に大丈夫か?」とかしつこく聞かない。
あたしが大丈夫といえば、信じてくれる。
それがもし大丈夫じゃなくても、信じてくれる。
それは本気で大丈夫だと思ってるんじゃなくて。
亜優はそこまでバカじゃなくて。
ちゃんと見抜いてはくれてる、あたしの嘘を。
それでも、優しくあたしの言葉を受け入れてくれてる。
そして、本当に本当にピンチの時はちゃんと助けてくれる。
そんなトコが好き。
今のあたしは、ちゃんと大丈夫。
『次、何しようかっ?』
あたしが笑うと、亜優もニコっと笑った。
あたしの大好きな笑顔を見せてくれた。