なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 今見てきたことをマスターに話し終えたあとに、なんだか落ち着いている自分がいて、目の前にマスターがいてくれてるからなのかもしれないけど、肩の力は抜けている。

 カウンターに置いた携帯に視線を移しても、無機質にそこにあるだけだ。

「連絡...待ってるだけでいいの?」

 もちろん連絡したい気持ちもあるけど、連絡して何を言うの?

 野々宮さんと一緒にいて何をしてるの?

 どこにいるの?

 いつ帰ってくるの?

 そんなこと言って嫌われたくないって気持ちもあって、踏み出せない。

「っはぁぁーーーーー......」

「強烈なため息だね」

「......どうしよう」


 今朝まではちゃんと気持ちが繋がってるって思ってたのに。野々宮さんのことは気になってはいたけど、でも私たちは大丈夫だって、そう思ってたのに。私だけがそう思ってたんだろうか。

「大切にするって言ってたのはなんだったんたろう」

「あいつそんなこと言ってたの?」

「あ、もしかして、声に...出てました?」

「完全にね」

「...舞い上がってたのは私だけなのかな」


 大切にする宣言してたのに、あの言葉は嘘だったの? それとも、信じてていいの? 信じていたい。

 ......信じられる? 

 信じていく自信、ある?

「なっちゃん、電話」

 メールランプを点滅させている電話を指さされ、また心臓がドキッとして、ひったくるように電話を取って急いでチェックする。
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