なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
家に戻ったらリビングが騒がしくて、何事かと思えばそこには久しぶりの秀太郎さんがいて、萩原さんと語気荒気に話し込んでいた。
二人ともスーツだけど、なんだかちょっと疲れていてるようにも見える。
帰ってきた私に気付くと話すのをやめて、鼻から大きく息を吸い込んで落ち着けている。
「あの、私......外、行ってましょうか?」
踵をかえそうとしたところで、『ここにいて』と萩原さんに言われて、秀太郎さんのほうに目を向けた。
『いてちょうだい』
小指を立てながら顎に手を置いてるけど、今ってモード秀太郎じゃないの? ひでこ? 今男だよね?
それにしても男の時の秀太郎さんはめっちゃ綺麗な顔で、うん、これは男でも女でも放っておかないと思う。
女の私でもドキッとしたもん。バイセクシャルだなんてもったいない。
「......なにか...あったんですか?」
二人は押し黙り、聞いちゃいけないことを聞いたんだなって思って、黙って下を向いた。
「夏菜...」
勢いよく振り向くと、そこには困った顔をした萩原さんがいて、
「...どうしたん...ですか」
何かを話そうと口を開きかけたけどそのまま口を結び、視線をふと反らされた。
な...に? なんかすごーく嫌な予感。
この予感はまた当たるんじゃないかって思って......
当たりませんようにって、本気で願った。