なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
やはりこのスタジオは危なくなると言われたのはそれから幾日も経ってなくて、その間にも会員数は増え続けている。
テレビの取材も入ったり、雑誌にも取り上げられたりしていて、今まさに注目株のこのスタジオをうなぎ登りに業績の延び上がっているここを、みすみす手放すバカはいない。
「なんか今までにないことでしっくりこないのよ」
「んー...なんでそんなことになってるんでしょう」
「......やっぱ何も聞いてない?」
「...あー...すみません」
いや、聞きたいんだけど、最近、出張続きで全然会ってない。それどころか毎日やりとりしていたメールや電話も一日置きになっていて、
忙しいんだから仕方ないんだって自分に言い聞かせて、我慢してる。
帰りも遅いし、帰ってこないときもある。
また野々宮さんに呼び出されてるのかなって思ったりして疑心暗鬼になったりもするよ。
それでも、信じてるから疑わないことにしてる。
信じてる。
たったそれだけでの言葉で、頑張ってる。
だから、経営のことなんてなーんにも分からない一端のインストラクターの私には、ビジネスを生業としている萩原さんの悩みや胸の打ちを、どうしていいのか分からなかった。
どんなことばをかければいいのかさえ、見つけられない。