なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 私はね、自分のものにしたかったらどんなことでもする女よ。そんなことくらいもう知ってるでしょ?


 まるで子供をあやすように話す口調は悪魔だ。


「でも、俺はあいつを裏切らない」

「そんなこと聞いてないわよ。どっちみち全ては守れないんだから、自分も含め全てを捨てるか、あの子を切って痛みは最小限に抑えるかどっちかしかないってことよ。簡単でしょ」



 萩原さんが何も言い返さないのは、野々宮さんは本当にそれができて、自分ではどうあがいても太刀打ちできない相手だからなんだ。



 萩原さんだけじゃない。秀太郎さんも同じ運命になる。

 
「あなたの返答次第で、この場で今の状況を変えられるのよ」

「......できないよ」

「従業員のことを考えなさいよ」

「それなら...」

「私は利益のことしか考えないから」



 この会社をもっといい方向へ持っていけるんだから、考えるようなことじゃないじゃない。

 昔は別にこの会社なんてなんとも思わなかったけどね、あんたたちが頑張ってるのを見ると、手を貸したくなるってもんよ。

 という本心だか嘘なんだか分からないことをさらりと言った。


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